ようこそ美術館ツアーへ!
今日ご案内するのは、ヨーロッパの名画が集まるあの有名な美術館。

世界三大美術館の一つ。ずっと行ってみたかったのよねえ。
うららの相棒の猫、ルナも旅のお供。

ついにやってきたわ、パリ。
そう、私たちは今、セーヌ川沿いのカフェを横目に、ルーブル美術館へ向かうところ。

到着前に、美術館についておさらいしてみましょう。
ルーブル美術館
正式名称:Musée du Louvre(ミュゼ・デュ・ルーヴル)
開館年:1793年
建物の用途:要塞 → 王宮 → 美術館

パリの朝の空気は、少しひんやりしていて気持ちがいいです。
地下鉄を降りると、すぐ目の前にガラスのピラミッド。
ルーヴル美術館の入口が見えてきます。

うわあ〜すごい人やな…

来館者数は年間約700〜900万人。
1年あたりの某夢の国入場者数くらいなんだって。

テーマパーク並の人気を誇る美術館ってことなんやな…
ルーヴルはとにかく広いです。
展示面積は6万平方メートル。
所蔵作品は30万点以上、展示されているだけでも3万5千点ほど。

数で言われてもピンと来んけど、それどれくらいなん?

学校の体育館100個分くらい。

わかるか!!!!!
※東京ドーム1個分。すべてを見ようとすると、1作品10秒で見ても5日以上かかると言われているそうです。
大量の展示の中から、今日は名作をいくつか一緒に見てまわりましょう。
Part1 手始めに「モナ・リザ」の微笑みをどうぞ


え、これ?ちっさない?

確かに思っていたよりも小さいのね。

レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ リザ』(出典:Public Domein, Wikipedia)
防弾ガラスに守られたその奥に、
世界でもっとも有名な女性が静かに微笑んでいます。
実際に見ると、意外と小さいと思う方が多いんです。
ノートパソコンを2つ並べたくらいの大きさ。
でも、その小さな画面に不思議な生命感が宿っているのが、この絵のすごいところ。
目線がこちらを追いかけるように感じるのは、
ダ・ヴィンチが計算した光と影のぼかし(スフマート)によるもの。
「どこから見ても微笑んでいる」と言われる理由はここにあったんですね。
名前の由来
- 本名は リザ・ゲラルディーニ(Lisa Gherardini)
- 「モナ・リザ」は イタリア語の“Mona Lisa” に由来
“Mona” = 「奥様」“Lisa” = 本人の名前 - つまり、「リザ夫人」という意味
盗まれたことがある!
- 1911年8月21日、イタリア人が盗む
- 「イタリアに戻すため」と主張して密かに持ち出す
- 2年後にフィレンツェで発見され無事ルーヴルへ返還、防弾ガラスに包まれました
- この事件以降、モナ・リザは一躍世界的に有名に

モナリザはもともとイタリアのもんやったんやな…

略奪された女性を取り返したと思ったら、今度はガラスの檻。なんだかお姫様みたいよね。
Part2 勝利の女神は船頭に「サモトラケのニケ」

大階段の上に、翼を大きく広げた女神の姿が見えてきました。
風を切るような動きのあるポーズ、衣のしなやかな布の表現。
紀元前190年頃の作品とは思えないほどの躍動感です。

『サモトラケのニケ』(出典:Public Domein, Wikipedia)

ひぇ、頭ないやん!腕もないやん!

頭も腕もなくても躍動感を感じるのは衣装のせいかしら…
今にも階段を駆け下りてきそうな迫力に、誰もが足を止めて見上げます。
この銅像はギリシャ神話勝利の女神「ニケ」を表現したもの。
実は船頭に立っている
- 名前の意味は 「サモトラキ島の勝利の女神」
- 紀元前2世紀のギリシャ彫刻
- 台座は船の前を模しているので、海から飛び立つ勝利の女神の姿を表現している
Part3 「ミロのヴィーナス」に想像を託す
今日最後の作品です。

やわらかな光に包まれた女性の像が目に入ってきました。
紀元前100年頃の大理石像、『ミロのヴィーナス』。
腰のひねり、流れるような布のドレープ。
どこから見ても均整が取れていて、“美の理想”が形になったような存在です。

『ミロのヴィーナス』(出典:Public Domein, Wikipedia)
想像力を掻き立てる姿
- 発見時から両腕は欠損しており、どんなポーズだったかは謎のまま
- その欠けた姿が、逆に神秘性や想像力をかき立てる
- 腰のひねりや肩のライン、布の流れまで計算されたバランス
- 古代ギリシャ人が考えた「理想の美」を体現している

見る人によって感じ方が変わる。
まさに“美とは何か”を問いかける彫刻なの。

確かにここに腕がついとったら、
ここまで有名じゃなかったんかもなあ。
本日のおわりに
ルーブル美術館の廊下を歩けば、数千年の時間がまとわりつくよう。
モナ・リザの微笑みは小さいけれど、見る者の心にずっしりと残る。
サモトラケのニケは、腕も頭もないのに階段の上から圧倒的な躍動感を放つ。
ミロのヴィーナスは、欠けた腕の分だけ想像力をかき立て、どこから見ても完璧な美の理想を示す。
ここにあるのは、ただの絵や彫刻ではなく、
歴史、物語、技術、神秘…すべてが混ざり合った、時を超える「美」の体験です。
足を止め、目を凝らし、心を傾ければ、あなたも今日、この美の物語の一部になる、そんな体験でした。
